研究の紹介

本研究は、生産主義的福祉国家として取り上げられることが多い、4つの東アジアの国や地域における貧困・社会的不利地域を対象とし、各国の若手研究者間の交流を含む共同研究の実施を通して、当該地域問題の解決に向けた実践モデルの構築と都市間交流や国際共同研究に向けた基盤を形成することを目的にしている。そのため本研究では、都市内の特定の地域が貧困や排除に陥りやすい、負の地域効果による影響と、それに立ち向かうための地域実践の仕組みを社会開発(Social Development)という文脈から比較検討し、社会的に不利な地域に対する社会開発東アジアモデル(「東アジア型社会開発モデル」)を導出することを目指している点に学術的独自性を持つ。また、本研究から得られた知見を、具体的に地域現場へ応用していくために積極的な社会還元にかかわる都市間交流のプラットフォームの形成を志向しているところも特記すべき点である。

2019年9月に台北で開催された「第9回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ」参加者による記念撮影