「一般財団法人第一生命財団 都市と暮らしの分野」の研究助成に採択され、新しい研究プロジェクトが開始しました。

本研究課題の意義や目的を簡単に紹介します。

本研究では、日本と韓国、そして台湾を比較対象として、各々の都市内の特定の地域が貧困や排除に陥りやすい負の地域効果による影響と、それに立ち向かうための地域再生のまちづくりを比較検討し、貧困地域に対する「居住支援モデル」を提示することを目的としています。具体的には、日本の東京(山谷地域)横浜(寿地域)大阪(釜ヶ崎地域)の寄せ場型地域に加え、これに類似した地域として韓国・ソウルチョッパン地域台湾・台北西園路雅房地域のような簡易宿泊所密集地域(いわゆる「寄せ場型地域」)に対し、実地調査によって居住者の生活ニーズを把握することです。そして、これらに対する行政施策や民間支援団体による支援実践の効果を総合的に分析することから、居住者の居住安定と生活向上、地域安全・安心に資する「居住支援モデル」を提示することを目的としています。そのため、各地の現場の実務家とも協働しながら具体的な地域現場への応用に向けて社会実装していくことも計画に盛り込んでおり、こうした点こそ、本研究がアクションリサーチとしての学術的かつ社会的意義を持つものと確信しています。